関与―学習マトリックス
- 熙明 李
- 2021年12月27日
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関与―学習マトリックス
『国際的消費者行動論』 第十三章「消費者行動に基づく国際マーケティング戦略」概論 1/3
International Consumer Behavior: Its Impact on Marketing Strategy Development Quorum Books, 1995.

この図は関与の高低,ならびに学習の速度から構成されるマトリックスである。 なお,この傾向は各国によってバラツキがある。 各国の消費者がどのように当該製品に関与しているか, そして学習の速度がどうであるかによってマーケティング戦略を検討する必要がある。
<高関与度―迅速学習型> 当該市場での急速浸透を図ることが得策である。 しかし,その製品は急速に受け入れられるので, スキミング・プライジング(上澄み吸収価格)方式をとることが適切である。
<高度関与―緩慢学習型> 購買行動はより複雑なものとなる。 緩慢で選択的な市場参入を図り, マスメディアによるプロモーション方式によって学習を支援する必要がある。 また,それぞれの文化に対応して認知的学習の側面, もしくは感情的学習の側面を強調する必要がある。
<低関与度―迅速学習型> 「新規改良型」などといった, 良く知るために使用したり探索したりする必要のない製品のことである。 このような市場への参入は集中型を採用し, 認知的学習の側面を強調したマスメディアによるプロモーションが必要である。 また,可能な限りあらゆる小売店で入手できるようにする必要があるので, 集中的流通を施行することが必須である。
<低関与度―緩慢学習型> 予備知識のない,まったくの新製品か,あまり普及しなかった製品の新規版である。 このような製品に対するマーケティングには,ゆっくりとしたスキミング型の市場参入が得策である。 マスコミによるプロモーションは限定的なもので十分である。 また,それぞれの文化に対応して認知的学習の側面,もしくは感情的学習の側面を強調する必要がある。
より効果的なマーケティング計画を構築するためには,これだけでは決して十分とは言えない。 その他の主要な変動変数をいくつか考慮する必要がある。 関与と学習の双方が一緒に考慮される時点においては, 国際的市場細分化と原産地想起がそれまでに考慮され,処理されているのだ。
次回は集団主義―個人主義の二分法を考慮した国際マーケティング戦略について検討する。
大石研究室 古川裕康 作成
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